今回は慢性腎不全で初診日が問題になった事例について少し考えてみようと思います。
本件では初診日が問題となるよりも不服申立てにおける審査対象が大きな問題になっています。審査対象はあくまでも処分です。処分の適法性・妥当性を審査します。
請求人主張の初診日には国民年金被保険者でした。すなわち糖尿病性腎症で血液透析を行っていることから慢性腎不全と相当因果関係のある糖尿病の初診日が初診日ということになります。
しかしそのときのカルテは廃棄され客観的資料による証明はできませんでした。
それゆえに受信状況等証明書で確認された日を初診日としたわけです。
ここで困ったことに認定された初診日は厚生年金被保険者でした。とすると請求方法が異なることになります。
審査対象の処分は「障害基礎年金を支給しない」ということです。
その理由が初診日を認定できないということでした。
それが手続き上の違背があるということで「障害基礎年金を支給しない」との処分の適法性・妥当性は維持されました。
とすると裁決例としては再請求してこいということになるのでしょう。
事後重症請求ならば制球よく月から支給されることから支給額はかなり減少することとなります。
このような形式的な結論に納得できますか。