今回はポストポリオ症候群で初診日が問題になった事例について少し考えてみます。
ポストポリオ症候群は小さい頃ポリオにかかり軽快し普通に暮らしていたものが40~50代ころから悪化するものを言います。
ここで問題となるのは原則通り考えていくと同一傷病であることからすべて20前障害になってしまい厚生年金被保険者期間が無駄になってしまいます。それ故に一定の要件の下に別傷病として扱っていきます。
ポストポリオ症候群の通知によれば
1 新たな筋力低下及び異常な筋の易疲労性があること
2 ポリオの既往歴があり少なくとも一肢にポリオによる弛緩性運動麻痺が残存していること
3 ポリオ快復後ポストポリオを発症するまでに症状の安定していた機関があること
4 1の主たる原因が他の疾患ではないこと
のすべてを満たす必要がある。
本件ではこの要件を満たした上で初診日の証明をしなければならない。しかし提出された診断書ではポストポリオの初診日を認定できる資料はない。すなわちポリオとは別傷病である以上いつポストポリオとして診療を受けたかを認定できなければならない。
資料としてポリオを傷病名とする診断書、ポストポリオの初診日を本人申立てとする診断書、ポリオにより転倒した際の診断書といずれも認定資料とはならない。
したがって請求は棄却されています。