今回は循環器障害・両変形性膝関節症で障害等級が問題になった事例について少し考えてみようと思います。
本件では更新時2級認定されていることから障害等級1級に認定されるかどうかが争点です。
提出された診断書は1つが肢体の障害用で傷病名がアルツハイマー型認知症・変形性膝関節症となっております。更新時には認定対象傷病で判断されることからアルツハイマー型認知症は判断対象とはなりません。すなわち併合認定の対象となりますので診断書から差し引いて判断されることになります。
もう一つは循環器の障害用で傷病名がアルツハイマー型認知症・変形性関節症・気管支ぜんそく・甲状腺癌術後と記載があり、循環器疾患とは関係がない。とするとこの診断書では判断ができないこととなります。
判断のできる肢体のよう概要診断書では両膝の人工関節置換術と膝の関節可動域・筋力を見ると、筋力は半減とあるも関節可動域は5分の4にとどまり3級にしかならない。
そうすると不利益変更禁止の原則から2級のままとすることもできる。
しかし裁決例では循環器用の診断書から心疾患による障害及び高血圧による障害を読み取ろうとするが具体的な記載はなく一般状態区分表がエとなっていることから2級となると判断している。
ポイントは認定対象傷病は何か、それ以外に傷病があれば併合して上位等級に該当する可能性があれば別途裁定請求すべきである。