今回は糖尿病性腎症で初診日が問題になった事例について少し考えてみます。
ここで初診日に関する証明資料は直接診療に関与した医師または医療機関が作成したもの、またはこれに準ずるような証明力の高い資料でなければなりません。
初診日とは障害の原因となった傷病につき初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を言う。
そして障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときには最初の傷病の初診日をもって障害の原因となった傷病の初診日とする。
本件において病歴就労状況等申立書及び審査請求書によれば勤務先の健康診断で糖尿病の疑いを指摘され病院を受診し食事療法が開始されている。しかしすでに診療録が廃棄されていて証明できない。
次に傷病手当金の支払い証明書が提出されている。しかし傷病名は腰椎椎間板ヘルニアとされており、糖尿病性腎症とは相当因果関係が認められず認定できない。
そのため請求人が糖尿病性腎症のため緊急入院した日をもって初診日とするのが相当とされています。
要するにこの病院は診療録が残っており初診日を認定できたと言うことです。
結局認定された初診日は厚生年金被保険者期間になく障害厚生年金は支給されませんでした。