115 障害年金 小脳出血・肝機能障害(初めて2級)

 今回は小脳出血と肝機能障害で事後重症請求していることから併合認定を請求していることになる。

 小脳出血では初診日を特定できないことから初診日認定適格資料を総合して認定された初診日では保険料納付要件を満たさない。とするとこれは併合認定の対象とはならない。

 次に肝機能障害では初診日要件・保険料納付要件は何ら問題はない。ただし初診日国民年金被保険者のため障害等級不該当とされている。

 当然裁決例では請求棄却である。

 本件では請求方法が間違っている。初めて2級を請求するべき事例であると考える。

 初めて2級の場合初診日の前後で前発障害・基準障害と分かれるが基準障害に初診日要件・保険料納付要件が満たされていれば、前発障害に初診日要件・保険料納付要件が問題にはならない(初診日の前後は証明対象となる)。両者を合わせて障害等級2級以上になればよいのである。

 ただし法文(国民年金法30条の3第1項)では「基準傷病による障害」とあることから少なくとも併合認定参考表に当たる必要がある。

 本件では基準傷病が肝機能障害であることから併合判定参考表10号15「身体の機能に労働が制限を受けるか又は労働に制限を受けることを必要とする程度の障害を残すもの」に該当する必要がある。そして小脳出血と併合して2級となる必要がある。併合認定表では10号と併合して2級となるのは4号以上のものに限られている。

 とすると小脳出血だけで2級以上となる必要がある。ここで初めて2級の使い方がわかるはずです。

 したがって本件では前発障害の初診日要件・保険料納付要件を救済するために基準障害があるという関係にある。