今回は両眼眼瞼痙攣で障害認定日障害等級不該当とされたものが、さらに眼瞼痙攣・開眼失行で裁定請求し重複請求として却下されています。それゆえに両障害が同一傷病による請求かが問題になります。
さて診断書はカルテに基づいて記載されるからこそ信用性を有します。診断書の記載に疑問があればカルテに戻って判断されます。カルテは医師法により日々の業務に基づき記載することを義務づけられています。それ故に誤りが入り込みにくいものとされています。
本件において同じカルテを元に異なる医師が診断書を作成し、その内容が異なっています。
しかしそれは単にカルテの記載から異なる評価をしたものに過ぎず異なる傷病とはいえません。
また再請求は同一の事情の基で同一の請求は許されません。裁定請求で出された処分については不服申立て・取消訴訟と十分な手続保障がなされ、再請求は例外的な場面でしかできません。
本件では診断書の記載が異なるとはいえ同一のカルテを基にしており異なる事情があるとはいえません。
それゆえに重複請求として却下された処分は相当といえる。