僧帽弁閉鎖不全(障害等級)

[問題] 現状診断書提出当時における請求人の当該傷病における障害の状態がk衛別表に掲げる程度に該当すると認められるか。

[論理] 国年令別表は障害等級2級の障害基礎年金が支給される障害の状態を定めている。

 障害の程度を認定する具体的な基準として障害認定基準を定めているが給付の公平を期するための尺度としてこれに依拠するのが相当である。

 障害認定基準の心疾患の障害によれば心疾患の障害の程度は呼吸困難、心悸亢進、尿量現象、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状、X線、心電図等の検査成績、一般状態、治療及び病状の経過等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の治療を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に該当するものと認定する。

 本件における事実を当てはめれば請求人の現状診断書提出当時における当該傷病の障害の状態は2級の程度に該当しないとするのが相当である。

[解説] 本件では傍論として規範力の問題が出てきている。 

 ここで規範力とは確定判決の判断内容の控訴での通用力のことをいう。

 当事者が規範力により拘束されるのは判決により確定された権利法律関係の法的安定性と、手続き保証が十分に与えられた結果としての当事者の自己責任にある。

 それゆえに当事者は規範力の生じた判決を争うことは許されず、控訴裁判所はこれを争う当事者の申し立てや主張抗弁を排斥しなければならない。また裁判所は規範力が確定された判断に拘束されこれを前提に酵素の審判をしなければならない。

 本件は有期認定で何回か更新された事例であるがその更新されたのちの事実が判定の材料となっているので本件の判断を何ら拘束しない。