★不服申立て再審査請求社会保険審査会で障害等級減額請求を求めて争った事例。
[問題提起] 障害等級2級を3級の額に改定することを求めることはできるか。
[規範定立] 厚年52条2項 国年34条2項は障害の程度が増進した時額改定を請求できることを
規定しているから、受給権者が額改定を請求できるのは障害の程度が増進した場合に
限られる。
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したがって障害の状態が減退した時に低い障害等級へ額改定を請求する権利を
有しない。
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そして保険給付または給付に関する処分に不服がある場合の審査請求制度は、
保険給付又は給付に関する国民の権利救済のための手段であるから不服申立ての利益が
ある場合でなければこれをすることができない。
[あてはめ] ここで国民年金制度の目的は障害によって国民生活の安定が損なわれることを国民の
共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持向上に資することにある。
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また厚生年金保険制度の目的は労働者の障害について保険給付を行い労働者の生活の
安定と福祉の向上に寄与することにある。
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とするならば受給権者にとっては年金額が多額である方が、少額であるよりもその利益
にかなうものである。
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そして障害等級が2級から3級へ額改定されることは年金額が減少することを意味し
受給権者に不利益である。
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したがって請求人に不服申立てをすることによって得られる権利又は法律上の権利は
ない。
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仮に社会生活上の制約や不利益があるとしても、それは額改定をしないとした原処分
による直接の法律効果として請求人が受ける不利益とはいえない。
[結論] 以上より不服申立ての利益を欠き不適法却下する。