★不服申立て再審査請求の裁決例を使ってできるだけわかりやすく論理の流れを追ってみました。
[問題提起] 初診日はいつか。
[規範定立] 初診日に関する証明資料は直接それに関与した医師または医療機関が作成したもの
又はこれに準ずるような証明力の高い資料でなければならない
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障害認定基準は給付の公平を期する尺度としてこれに依拠するのを相当とする
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初診日とは障害の原因となった傷病につきはじめて医師または歯科医師の診療を受けた日をいう
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障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは
最初の傷病の初診日が初診日となる
[あてはめ] (裁決例では日付が白抜きとなっているので前後関係が正確には分からず推測を交えて記載してあります)
早い順に ④a病院C医師 受信状況等証明書 不安神経症
③a病院A医師 受信状況等証明書 うつ病
①a病院A医師 診断書 うつ病
②a病院B医師 診断書 うつ病
請求人ははじめ乗り物恐怖、閉所恐怖が出現し不安発作を主訴に初診
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後に父の死去、会社の転勤などから抑うつ気分が出現、初診となった
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これらの事実によれば不安神経症とうつ病との間には相当因果関係がある
[結論] 不安神経症の初診日が初診日となる。
[解説] 初診日証明の方法が広がりましたがその一つに請求の5年以上前に医療機関が作成した資料に請求者申立ての初診日が記載されているときには初診日と認めることができる。
通常請求者申立ての場合にはその中に誤りが入り込んでいないかを調べなければならない。しかし5年以上も前に用意周到に偽証をしてまで障害年金を取得することはまずあり得ないことから認められました。
もっとも「認めることができる」としている点を見落としてはならない。
当然初診日と認められないこともある。
できるかぎり初診日を証明する証拠は集めなければならない。