★不服申立て再審査請求で血友病の障害の程度が国年令別表に当たるかを障害認定基準で争った事例。
[問題提起] 請求人が20歳に達した日(障害認定日)及び裁定請求日における血友病による障害の
状態が国年令別表2級に該当するか。
[規範定立] 国年令別表2級は「前各号に掲げるもののほか身体の機能の障害又は長期にわたる
安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって日常生活が著しい
制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」(15号)
が掲げられている。
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そして障害の程度を認定するためのより具体的な障害認定基準があるが給付の公平を
期するための尺度としてこれに依拠うするのを相当とする。
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障害認定基準では血液造血液疾患による障害の程度は自覚症状・他覚所見・検査成績・
一般状態・治療及び症状の経過など具体的な日常生活状況等により総合的に認定する
ものとし、当該傷病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって
長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に
著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に該当するものと認定する。
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そして出血傾向群で2級に該当するものには「A表Ⅱ欄に掲げる者のうちいずれか1つ
以上の所見があり、B表Ⅱ欄に掲げるもののうちいずれか1つ以上の所見があるもので、かつ
一般状態区分表のエまたはウに該当するもの」である。
A表Ⅱ欄
1 中度の出血傾向又は関節症状のあるもの
2 凝固因子製剤を時々由中しているもの
B表Ⅱ欄
1 出血時間が8分以上10分未満のもの
2 APTTが基準値の2倍以上3倍未満のもの
3 血小板数が2万/μℓ以上5万/μℓ未満のもの
[あてはめ] A表Ⅱ欄 1・2に該当
B表Ⅱ欄 非該当
一般状態区分 イ
[結論] 国年令別表2級には該当しない。