パーキンソン病とは黒質ドパミン神経の変性によりパーキンソニズムを呈する疾患である。ここでパーキンソニズムとは①ふるえ(振戦) ②こわばり(筋固縮) ③動作の緩慢(寡動・無動) ④歩行障害と姿勢反射障害を言います。これ以外に自律神経症状(便秘・頻尿・立ちくらみなど)や精神症状(うつ・幻視など)もあらわれます。
次に診断基準を掲げておきます。
Ⅰ 自覚症状
1 安静にしているとき、震えがある
2 動作がのろく、ひとつの動作に時間がかかる
3 歩き方がのろい、うまく歩けない
Ⅱ 神経所見
1 毎秒4~6回ほどのゆっくりとした震えが、安静にしているときにおこる
2 無動・寡動
3 こわばりがある
4 姿勢・歩行障害
Ⅲ 臨床検査所見
1 一般的な検査では特異的な異常がない
2 脳の画像検査では明らかな異常がない
Ⅳ 鑑別診断
1 血管障害性の病気ではないことが証明されている
2 薬剤性の病気ではないことが証明されている
3 その他の変性疾患ではないことが証明されている
次の①から⑤のすべてを満たすものをパーキンソン病と診断する
①経過の進行は進行性である
②自覚症状で上記のいずれか一つ以上が見られる
③神経所見で上記のいずれか一つ以上が見られる
④抗パーキンソン病薬による治療で自覚症状や神経所見の明らかな改善がみられる
⑤鑑別診断で上記のいずれの病気でないことが証明されている