[問題] 厚生年金の被保険者たる身分を喪失した翌月は65歳である場合、退職改定により厚年被保険者期間を加えて特例厚生年金の額を計算するのか。
[論理] 被保険者である受給権者がその被保険者資格を喪失した日から起算して1カ月を経過した時はその被保険者の資格を喪失したつき前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日から起算して1カ月を経過した日の属する月から年金の額を改定する(厚年43条3項)。
そして特例厚生年金の年金額が改正されるためにはその前提として保険者資格を喪失した日から1カ月を経過した時点で受給権者であることを要する。
本件において請求人は1カ月を経過した時点で65歳に達しており特例厚生年金の受給権を失っている。
したがって、年金額は改定されない。
[解説] 年金受給権者厚生年金被保険者である場合退職した翌月より年金額が改定されます。これは月々額の改定をすることは煩雑であるからである。
そして厚年43条3項が受給権者について規定したものであることから受給権者であることが改定の要件となる。
なお、退職した日が資格喪失となるので月末退職の場合でも翌月より改定が行われます。